第161章 お父さん、蓮が私を認めてくれないんだ

中野航平は彼女の背中を見送りながら、スマホを取り出して琴子さんに電話をかけ、新しい食材の準備を頼んだ。

栞の好みが変わったのなら、自分が新しい料理を覚えていけばいい。栞をちゃんと支えること、それが何より大事だ。

エレベーターの中で、長谷川栞はさっきの中野航平とのやり取りを頭の中で反芻していた。けれど考えれば考えるほど、苛立ちが募っていく。

自分が、どんどん自分じゃなくなっていく。

妊娠って、そんなに人を変えるものなの?

蓮を妊娠していた時は、こんなふうじゃなかった。……それとも、私がどこか悪いの?

答えは出ない。それでも栞は食堂の階を押した。

約束を破りたくないだけ。中野航平と...

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